公衆電話の役割は終わったのか
2年間行方不明になっていた女子中学生が、ある男の自宅で軟禁されていて、昨日女子中学生が男の隙を見付けて逃げ出し、無事に両親の元に帰ることができたということが大きなニュースになりました。この時、彼女が連絡を取るために使ったのが駅にあった公衆電話だったというのは、よく考えたら当り前の事ながら、このまま公衆電話が減り続けたらどうなるのだろうとふと考えてみたくなりました。
今回はたまたま軟禁されていた場所が東京で駅に行けば公衆電話も見付けやすいところにあったから良かったですが、田舎の人もそれほどいないような所に軟禁されたとしたらたとえ逃げ出すことができたとしても、助けを求めることが難しかったのではないかと思います。
公衆電話が減っている背景には携帯電話の普及があるとは思いますが、自分の事として考えてみて、いきなり見ず知らずの人に連絡を取りたいから携帯電話やスマホを貸してくれと言われても素直に貸せるかどうかはわかりません。大人なら緊急事態であることを視聴し、電話を持っている方に直接110番してもらうことを考え付くかも知れませんが、今回のような児童・生徒の場合は大人に声を掛けて電話を貸してもらったり相手に電話してもらうように頼むのは難しい場合もあるでしょう。
今回の女子中学生の場合は小銭を持っており、先に自分の家に電話したところ、110番への通報を母から勧められたようですが、今の子供たちはもしかしたら緊急ボタンを押せば、110番と119番への通報はお金を使わずにできることも知らなかったのかも知れません。これも、NTTが最終的に公衆電話をなくすつもりならば仕方ないですが、果たしてそれでいいのかどうかというのは、様々な緊急の場合を考えると公衆電話を完全にはなくして欲しくないと切に思います。
例えば、大きな遭難や事故・事件でなくても、ひょんな事からインキーをしたまま車を降りてしまい、何も持たずに車の外に出てしまって途方に暮れてしまうような事は今の世の中でも起こるかも知れません。今後の日本の社会は益々都市部に人口が集中し、山間部などは過疎化が進むことで今よりも車の旅で山間部を訪れてこうしたトラブルに巻き込まれてしまったら、最終的には公衆電話が最も頼りになる外部との連絡手段になるでしょう。
今後の公衆電話の運命というのがどうなるかはわかりませんが、最近ではキャッシュレスで決済できる手段が当り前になっているため、中に入っている小銭を目的に窃盗の被害に遭うこともないでしょう。いっそのこと、かつての新電電が限られた場所に設置していたことがあるクレジットカードを通せば通話できる電話機を設置してくれないかなと思うのですが、さすがにコスト面からは厳しいのでしょうか。
ふと昔を思い出すと、まだ自分が携帯電話を持てなかった頃はポケベルを鳴らされた場合のコールバックの手段として、「NTTカードC」という、公衆電話にテレフォンカードのような専用カードを通すことで、公衆電話の通話料を固定電話の請求と一緒にしてもらうシステムを活用していたのでした。このサービスもカードを偽造する犯罪が多発したことと、公衆電話の維持コストの問題で廃止になってしまいました。
でも、ライフラインの一つとして公衆電話は日本全国どこでも必ず置いてある所を定めて欲しいですし、小銭を切らしていても連絡ができるような非常用の仕組みは確保できていてもいいのではないかと思います。ただ、現状を見ると、とりあえず車の旅では外に出る時にも必ずスマホや携帯電話を持って出る方がいいと思いますし、少しの小銭くらいはポケットに入れて持って行くぐらいの用意はしておきたいですね。
あと、これは余談になりますが個人的に実現できないかなと思うのは、多少登録にお金がかかってもいいので、スマホ自体を車の鍵として使うことができないかなということです。頻繁にスマホを替える人は大変でしょうが、そうした方法で車の鍵を扱えるようになれば、少なくとも車の中にスマホを入れたまま車のドアも開けられなくなることはないと思うのですが。
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