防災用品 まとめて買うかコツコツ揃えるか?
あの、東日本大震災が起きてから今年で5年となります。この日を迎えるにあたり、様々な事が脳裏に浮かぶわけですが、目立つのがいかに災害時に使える防災用品をセットにしたものです。
写真のちらしは3Wayのバッグに入った防災用品のセットで、だいたい2万円ほどで購入できるものです。コンセプトとしては家族3人が約48時間生き抜くためのグッズということなのだそうですが、細かい事を考えずにこのセットを購入し、食品や日用品などで消費期限があるものは必ずその前に消費して補充することをしっかりやれば、いざという時には役に立つものとなるでしょう。
ただ、いつの間にか消費期限が切れていて、仕方がないので同じようなものをまた買うようなことになってしまえば、無駄にお金を出しただけという事にもなりかねません。もしかしたら写真のチラシは全国的に配られているかも知れませんので、こうしたセットを買う人も買わない人も役に立つように、チラシ内の情報からいろいろ考えていきたいと思います。
チラシ内におけるセットに入っているものの分類は「生活用品」「食料」「応急グッズ」「避難便利グッズ」となっていて、さらに「3年ごとに交換が必要なもの」と「約一ヶ月に一回確認が必要」というマークが入っています。これだけでも、かなり防災の事を考えてこのセットが作られていることがわかります。
まず、「約一ヶ月に一回確認が必要」なものとは何かということですが、それはセットの中でも一つだけで、「ラジオ付き手回し発電ライト」(チラシ内の表記とは若干違います)のことです。これは、恐らく手回し発電をしたものでラジオを聴き、ライトを付ける場合の蓄電池の消耗が心配ということでこうした表記になっていると考えられます。
このブログでも防災ラジオについて説明する際に何回も書いてきましたが、この種のラジオで、今回の防災セットの注意書きがあることを考えると、ラジオの中に入っている充電池は家庭内にあるコードレス電話の子機の中に入っているようなニッケル水素電池だと思われます。「ニッケル水素電池」自体、性能により長期保存が可能な「eneloop」のようなものから、100円ショップでも売っているような安さが取りえのものまで色々ありますが、一般的な手回しラジオの中に入っているものは恐らく後者のもので、電池交換はできません。ただ、一ヶ月に一回くらいは手回しで発電することで電池も充電と放電を繰り返すことができ、電池の寿命も伸びるということもあるので、チラシのような表記になるのでしょう。
こうした手間を掛けたくない方は、電池とライトについては単三電池を2本使うくらいのものを別に購入し、同時に10年そのままでもいざという時に使える単三のアルカリ電池も購入して、もしもの時に備えましょう。ただ、手回し発電機能自体はハンドルが折れない限り使えるので、携帯電話の充電用としては役に立つでしょう。
食品と水については、家族3人ということで水は3リットル、食品は主食と副食を3パック用意し、別に氷砂糖を一袋と、それでも何とか48時間限定で食べたり飲んだりできる量を確保しています。ただ、これだと届くまでどういう食料なのかわからないので、味にはこだわらない人ならいいですが、アルファ米にしてもいろんな味付があったりするので、ホームセンターへ直接出向き、このセットと同じように主食と副食の組み合わせがいいのか、平常時にも食べやすいお菓子の保存缶方がいいのか、それとも交換は頻繁になるかも知れませんが、自分で好きな缶詰を見繕って人数分用意するかというのは個人の裁量になるでしょう。あと、専用品でない場合は分けられるような紙皿と、食べるための箸やスプーンの用意もお忘れなく。
生活用品として挙がっているもので入っているものは、折りたたみ式の水タンク、お皿などに巻きつけて何度も食器を使えるようにするためのラップ、カッターナイフにライター、ティッシュに布テープ、簡易トイレを3つと生理用品も入っています。ただし、こうした衛生用品を使う場面を考えた場合、色が付いて中が透けない大きなポンチョを用意しておくのがおすすめです。
チラシの説明だとこのセットに入っている雨具はレインコートまたはポンチョ3枚とありましたが、透明なものでは透けてしまうのでトイレ時の目隠しとしては使えません。3つ用意する場合は2つまでは100円ショップで売っている安い雨具でも十分ですが、残りの一つはトイレの目隠しとしても使えそうな色で、大き目のポンチョにするようにしましょう。黒いゴミ袋での代替も可能かもしれませんが、破けるなどしてすぐ使えなくなっては長期の避難行動には使えません。ポンチョは雨具や目隠しだけでなく防寒具としても使えるなど、応用範囲が広いものですので、普段使いの雨具としてもちゃんとしたものを携行するのもおすすめです。
あと、チラシにある防災グッズの中で目立つのは、やはり用意しておいた方がいいと思われる小物類です。絆創膏、包帯、マスク、ガーゼなどの応急グッズや、軍手・笛・ロープ・アルミシート・ゴミ袋というようなおなじみの防災用品が用意されています。そしてこのセットの中には、恐らく食事のためだと思いますが、化学変化で熱々になる発熱材3個と加熱袋1個がセットになっています。カセットコンロを用意していても使えない場合もありますから、こうした用意も欲しいと思う場合は、発熱材として単体発売されているものを追加して用意しておきましょう。
もちろん、ここまで紹介したグッズ以外にもあると便利なグッズは沢山あります。しかし、いざという時にはこの中味を全て持って運ばなければいけないということも考えると、ある程度必要十分な備えがこのセットの中に入っているとも言えます。さらに、用意されたバッグは肩掛けにしたりリュックのように背負ったりの他に、キャスターを使って引っぱって行けるようになっています。これから防災用品を用意したいと思われる方は、最初に何に入れて避難するかという事を考えてバックから中味を決めていくというのもいいでしょう。
もし私が見たものと同じチラシを見てとってある方は、そのチラシを片手に自分はこれ以外でどうしても使いたいというものを足しながら、自分なりの非常用持出袋を作ってみるのもいいのではないでしょうか。こだわりの品を選んで行くと、チラシのセットより高くなってしまう可能性もありますが、そうして作ったセットを車の中に入れておき、車中泊の旅にも使えるものも含めて集めるなんてのも、単に準備をするためだけのものでなく、いざという時に使える防災セットとして機能させるためには必要な事かも知れません。
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