避難訓練だけでなく災害教育も大切
私の住んでいる静岡県は昔から東海地震が起こると言われていたので、9月1日の防災の日には必ず小中高で避難訓練をやっていました。警報音が鳴ったら机の下に入りしばらくしたら防災頭巾を被って走らずにグラウンドに集合するというのがいつもの事でした。
ただ、学校の避難訓練は人が多すぎるせいかそこまでで手一杯で、単に与えられたプログラムをこなすだけという形で何かあった時に本当に大丈夫なのかという疑問は昔からあったのですが、現在になって、単なる避難訓練をこなすだけではダメなのではないかという指摘が上がっています。
というのも、過去の大きな災害で亡くなった人の中には、その場所が避難所として指定されているという理由で逃げ込み、結果としてその避難所ごと津波に飲み込まれてしまったという悲劇が実際に起こっています。その反対の例として、釜石市の小学生は普段の避難訓練で逃げていた場所では危ないかも知れないと自分達で考え、さらに高台に避難したため無事だったという事例もあります。
そうした「自分で考えてよりよい避難の方法を導き出す」ために、災害教育をしようという試みがなされているそうです。これは、何も東日本大震災の例を出すまでもなく、古くは関東大地震の時でも問題になったところがあるのです。あれだけの犠牲者を出した理由の中に、当日の気象状況も関係していたといいます。実はその時、能登半島付近に小さな台風があり、関東にはかなり強い風が吹いていたというのです。こういう事をしっかり把握していれば、既に決まっていた避難場所に逃げても火にまかれて命の危険が出ることはある程度予測はできたように思います。
こうした考えの元、公的な避難訓練は無駄だと言う方もいるのですが、私はそこまで極端な考えは持っていません。公的なものが主導する避難訓練でだいたいの傾向をつかみ、実際に避難しなければならない状況になったら、そこはその場で訓練通りに逃げるか、別の方法を考えるか、出たとこ勝負にはなりますがあらゆる情報を分析して自分で考えることが、最後的に悔いを残さないような気が私にはするのです。私のブログでは防災グッズや日々備えている事についても書いていますが、いざという時にはそうした事を全てご破算にしてでも身一つで逃げなければならないことを想定しなければならないこともあるかも知れません。何しろ全く正解のない中で動かなければならないのはつらいところではありますが、大切なのはいかに冷静に動けるかということも大事になってくるでしょう。
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