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2014年11月27日 (木)

雑誌付録の変遷と今

 毎年の11月26日というのは「いい風呂の日」でもありますが「いい付録の日」でもあるというのをたまたま聞いたラジオで知りました。ここで言う付録とは、雑誌に付いている付録のことです。本に付いている付録というと、現在は本体よりも高価な様々なものが出ていますが、時代とともにその内容も変わっていてその変遷を見ていくとなかなか面白いものです。

 昔の雑誌の付録は別冊の本だったり紙で作る工作だったりして、その事に付いて書くだけでも様々なことがありますが、ここではパソコンや携帯端末に関する雑誌の付録についてその変遷を追ってみましょう。

 今も昔もパソコンや携帯端末はプログラム(アプリ)がないと動かないわけで、まだ簡単にネットに繋いでアプリをダウンロードするという考えがない時代、よりどころとなったのが雑誌であり雑誌の付録でした。パソコン黎明期のそれほど複雑ではないゲームのプログラムあたりは、プログラム自体が巻末付録のように雑誌の最後に印刷されていて、その文字列をそのまま入力することによってゲームや様々なプログラムを実行可能になりました。当時はハードディスクもフロッピーもない中でこのようにしてパソコンを使っていたわけですから、どのようにして雑誌で紹介するプログラムを読者のパソコンで実現させるかというのが課題ではなかったかと思います。

 古い話が続いて申し訳ありませんが(^^;)、コンピュータ本体に手入力で入力し続けるというのは大変なので、当時はプログラムを取り込むために、カセットテープレコーダーを直接コードで繋いで、データをセーブしたり、新しいパソコンに入れたりするのが主流な時代がありました。今でもファクシミリを送る場合は、画像のデータを音声に変換して電話回線を使って送受信をしますが、当時は音声データからプログラムへの変換をパソコンに直接テープレコーダーをつなげてやっていたわけです。

 その当時の様々なプログラムの販売方法は、作ったソフトをカセットテープにセーブし、そのカセットテープを売るという形を取っていました。カセットテープを購入した人は、テープをパソコンにセットして使っていました。しかし、雑誌の付録の場合、当時のカセットテープは、レコードと同じ曲が入っているものはレコードと同じくらいの金額で売られているという側面があったためか、雑誌の付録としてカセットテープを付けるというのは高額な付録と認定される恐れがあるため禁止されていました(後にカセットブックという本とカセットテープを一体化したものが出ましたが、もちろん当時はそんなものもありませんでした)。そこで、どのようにして音声データを付録として付けたかというと、今ではとても考えられない方法がとられたのです。

 パソコン関連の雑誌以外にも、音楽や音声を雑誌の付録として付けるために行なわれたのが、レコードより薄くてペラペラしているものの、レコードプレーヤーにかければちゃんと音が出るソノシートと呼ばれる円盤形のディスクでした。溝に刻まれた音声や音楽は手回しの簡単な仕組みでも再生できたので、タレントの声や怪獣からのメッセージなどが入ったソノシートと、針金をソノシートに付けて円盤を回すことで再生できるペーパークラフトの簡易蓄音機が付録で付いていた学習雑誌を懐かしむ方もいるでしょうが、当然パソコンのプログラムは手回しの不規則な再生ではデータ復元ができません。ちゃんとしたレコードプレーヤーにかけ、それを自分で用意したカセットレコーダーにダビングしてからそのテープをパソコンに繋いで、パソコン上でプログラムを実行するというまだるっこしい一連の作業をする必要がありました。

 しかし、感のいい方はおわかりと思いますが、ソノシートを再生する際に表面にホコリやキズがあってノイズが入ってしまった場合、うまくデータをパソコンに入れることができなくなるので、ダビングを行なうにあたっては細心の注意とコツが必要になることがしばしばでした。いくらやってもうまくいかない場合は諦めざるを得ない事もしばしばで、その後に出てくるフロッピーディスクが付録になることでようやく問題なくプログラムの読み込みができるようになり、その後に出てきたCD-ROMでさらに多くのプログラムを使うことができるようななりました。ちなみに、CD-ROMが雑誌の付録として付くようになった時代でも、まだインターネットに繋ぎっぱなしにするようなことはほとんどの人ができず、できても56kbps程度の速さしかなかったので、10MBくらいのアプリをネットに繋いだ状態で読み込むにも相当時間がかかりました。時間とともに料金のかかる通信サービスを使っていると、1つのアプリをネットから落とすだけでも電話代とプロバイダに支払うネット料金が別々にかかり、私は違いましたがネット関連の支払いだけでも月に10万円以上という人も普通にいました。そんな状況の中、ネットに接続しなくても数多くのソフトウェアを自分のパソコンに導入できる雑誌付録のCD-ROMというのは大変役立ちました。

 改めて考えるに、単にアプリをネットから落とすだけでもそれなりの出費を考えなければならない時代から使っていたため、お金を出しても雑誌を買うのが普通という価値観の中でしばらくはパソコンと付き合ってきたわけです。ですからいわゆる低速のモバイル通信にもこんなものかと耐えることができているのだと思いますね。また、目の前の便利さがあっても、簡単にネットから音楽を直接購入しないで、ついCDとして持っていたいというような行動をしてしまうのだなと思います。特に以前はCDのクオリティよりも劣る音楽配信が多かったため、まずはCDを買って、必要に応じて音楽プレーヤーでも使えるようにデータを吸い出すことが普通でした。ただ今ではCD以上の音質のハイレゾ音源のファイルをダウンロード出来るようになったことで、音楽入手をCDとは別にすべきかとも思いますが、音楽CDにはパソコンを通さずとも、安物のCDラジカセでも簡単に再生ができますし、安いパソコンでもCD-ROMドライブが付いていれば、データの取り込みが可能な扱いやすさはまだまだ捨てがたいものがあるように思います。

 そうは言っても、昔からあるものを頑なに使い続けることもさらなる進歩を阻害する元でもあるかも知れないので、こちらも変わって行かざるを得ないでしょう。そうした流れの中、今のパソコン関連雑誌の付録というのが、メディア系から周辺機動系や便利グッズ系に移行してきているというのも面白いものです。今後の雑誌の付録ですが、たとえ豪華なものではなくても、さすが専門誌に付いてきた付録だと思わせるようなものがどんどん出てきてほしいものです。

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