ラジオのアナログチューニングをマスターしよう
スマートフォンを使いこなせない中高年の人たちがいる裏で、アナログ的な道具を使いこなせない人たちも増えているように思います。例えば、電卓は使えてもそろばんを使えないというようなことです。そろばんを使いこなすにはそれなりの練習が必要ですが、一通り使い方をマスターしてしまえば人間の能力を合わせることによって電卓以上の計算能力を使うことができます。さらに利用については電気を使わないため、本体そのものが壊れなければいつでもどこでも使うことができるというメリットは大きいと思います。人類はそろばん塾に通い使い方をマスターしなくても誰でも簡単に使える計算機を発明し、実用化するについてライフスタイルを変えてきたわけですが、そうした進歩によって失ったものも存在するわけです。こんなことを考えてみると、今メディアとしては廃れたと言われているラジオの世界についてもあてはまる点があるように思います。
ラジオ放送自体をインターネット経由で聞くことのできる仕組みが整う中、放送局を選択する段階て直接、目的の放送局を選べるようになってくると、これまでラジオという機械をほとんど使ったことのない人が、災害に遭遇してラジオを使おうと思った時に使えないのではないかと個人的には危惧しています。
写真は、個人的に所有している災害時に役に立ちそうなラジオの数々です。下段右はいわゆる災害用のラジオではありませんが、単三電池2本で長時間の連続稼働を誇るアナログチューニングのラジオ、ソニーのICF-9で、その左にあるのは手回し充電のできる一般的な防災用ラジオの東芝TY-JR10です。上段にあるのは先日紹介した蓄電システムにキャパシタを使っているKOBAN ECO-5です。普段持ち歩いているのはコンパクトで応用範囲が広いためKOBAN ECO-5ですが、ラジオとしての感度や扱いやすさは一番だめで(^^;)、人によってはラジオ部分が使えない(選局が全くできない)と投げ出してしまうかも知れない内容になっていると思います。それは、3台のラジオに共通に使われているアナログダイヤル式の選局システムに原因の一つがあると思います。
皆さんがお使いのラジオが何かによっても変わってくるでしょうが、今出ている単体のラジオにおいて、放送局の周波数が数字で表示されるデジタル式のものを使っている場合、印字された周波数の数字の上に針を動かして選局するアナログチューニングというのは操作が難しいだろうと思います。ただこれは、同じ電力で長時間動かしたり、手回しの限られた回数で作られたわずかな電力でもある程様の聴取時間を確保する場合、設計的にアナログチューニング方式を採用することになるので、仕方のないところでもあるのです。
まず、ラジオ自体を使ったことがない人にとっては放送局の周波数って何だと思われる方も多いでしょう。テレビのチャンネルは覚えていても、ラジオの周波数は覚えていない人は多いでしょう。デジタル方式のラジオなら、すでに地域ごとに放送局の周波数がセットされていて、本体の操作で地域を選ぶとボタン一つで選局ができるものもありますし、自動で信号の強い放送局を探して受信してくれるシステムもあります。しかし、アナログチューニングの場合は自分の手でダイヤルを回し、目指す放送局を見付け出さなくてはいけません。それにはまず、ラジオに書かれている数字のどこに地元の放送局があるかを知っていないとならないこともあります。周波数の確認には以下のような情報提供サイトがあります。ここではあえてモバイル用のQRコードが書かれたサイトにリンクしてありますが、メインページはフラッシュプレーヤーが使えないと見られないので注意して下さい。パソコンからアクセスされる場合は下のリンクからメインページに移動してご利用下さい。
http://www.radiotuner.jp/mobile_index.html
こうして、目的の放送局の周波数がわかったらチューニングするわけですが、アナログチューニングはきっちりと目的の周波数に合わせられるわけではないので、大雑把に周辺に合わせたら微調整をしていきます。この時、ラジオの感度によっては雑音すら聞こえないような場合もありますので、まずは雑音が聞こえる程度にボリュームを上げてから行なって下さい。慎重にダイヤルを動かし、急にラジオの放送が聞こえてきたらしめたものです。さらにダイヤルを微調整し、一番いい状態で放送が聞けるところでダイヤルを止めます。なお、受信状況によってはダイヤルを合わせるだけでなくAM放送の場合ラジオを回したり、FMの場合はロッドアンテナを伸ばした状態でアンテナを回転させるなどして、さらに良く聞こえる状況を見付けだすことも必要になってきます。AMのアンテナは本体内部にあり、電波の指向性に応じて受信環境が変わるため、こうした作業も必要になってくるのです。
また、ここで紹介したラジオの中ではICF-9およびTY-JR10には放送局をきれいに受信した時に光る「同調ランプ」が付いています。自分の耳で聞いた感覚だけでなく、このランプが勢いよく付くことが正しく放送局を受信できているかの目安になります。
今回紹介した3つのラジオのうち、一番アナログチューニングしやすいのはICF-9です。それば元々の感度がいいということと、微調整がしやすく余裕を持って回転する選局ダイヤルの作りがいいということがあります。他の2台はダイヤルを回せる範囲が狭いため、ちょっと触っただけでも周波数がずれてしまい、目的の局にたどり着くまでにはある程度の慣れが必要になるでしょう。しかし、一旦使い方を覚えてしまえば災害で放送局自体が潰れてしまわない限りは、必要な時に必要な放送を聞く体勢は取れると思います。非常用持ち出し袋にこのようなアナログチューニング方式のラジオを入れている方は、家族全員がラジオを使えるのか、機会を設けて試してみるのもいいかも知れません。
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