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2013年3月 1日 (金)

首都圏のAM放送局がFMに鞍替えすればローカル局になる?

 テレビと違ってラジオのデジタル化が難しくなったニュースの中で、少々気になる話が出てきました。デジタル化による膨大なコスト負担が大変なため、デジタル放送をしないというのはいいのですが、老朽化したAM局の送信設備の維持管理(AM局の半数は2020年度までに老朽化した送信所の更新時期を迎えるとのこと)にお金をかけるよりも、都市部特有のビルの中ではほとんどAM局が聞こえないような状況を改善し、送信設備のコスト的もAMより少なくて済むFM放送の施設へと順次切り替えていくことを文化放送、TBSラジオ、ニッポン放送などの首都圏の放送局が検討しているというのです。その場合、テレビのデジタル化で使われなくなった「V―Low」(VHF 1~3ch)と呼ばれる電波帯を使うのではないかという事ですが、ラジオ局の経営状態も厳しさを増す中、同情する部分もあるものの諸手を挙げて賛成するという感じにもなりません。

 まず、もしかしたら多くのAM局が使うかも知れない「V―Low」(VHF 1~3ch)を再度生かすという事なら、地デジ廃止によるFMワイドバンドを搭載した多くのラジオの製造中止は何だったのかという話になります。逆に今出ているFMが聞けるラジオの新機種はことごとくFMワイドバンドを聞けないようになっていますから、また買い替えという事になってしまうという大いなる無駄が生じます。何よりもこのブログで再三紹介しているSONYのICF-B100は元々VHF 1~3chはアナログ選局で聞けたのに、地デジの推進によって製造中止に追い込まれたようなものですから。更に、同じSONYで出たばかりのICZ-R51は仕様を見るとFMラジオが聞ける範囲は76.0 MHz - 90.0 MHzとなっていて、「V―Low」(VHF 1~3ch)に移行したAM局があれば買い替えなければいけなくなってしまいます。こういう話を隠しながら商売をするというのは非常に姑息ですし、これから高性能で高額なラジオを買おうと思っている方は、この流れに十分気を付けて納得のいく購入をされるように注意して下さい。ある意味、停電や災害時には使い物にならない事を了解した上で(災害用に安物のラジオを用意するのも手)、パソコンやスマートフォンから聴けるradikoを新しいラジオが出るまでのつなぎに利用するのも一つの方法でしょうし、日本製のラジオでは現状で「V―Low」(VHF 1~3ch)をカバーするものがないので、あえて日本製のラジオを購入候補から外し、海外製のラジオに手を伸ばさざるを得ないという決断も必要でしょう。

 また、これは取り越し苦労かも知れませんが、FMトランスミッターを使ってミュージックプレーヤーやスマートフォンから音楽を聴いている方の使い勝手が悪くなるという問題も出てくるかも知れません。移動範囲が狭い場合は地域の放送局で使われていない周波数からトランスミッターの電波を飛ばすようにすればいいですが、広範囲を移動して行く場合、どうしても地方局と混信してしまいうまく音楽が聞けない状況に陥る場合が出てきます。現在では「V―Low」(VHF 1~3ch)はまるまる空いていますので、FMワイドバンドをカバーするラジオとトランスミッターの組み合わせが用意できれば、放送局の混信を気にすることなくトランスミッターを使うことができます。この使い方がだめになるというのは、今まで便利にこの方法を使ってきた人にとってはショックでしょう。あと個人的には電源のいらないゲルマニウムラジオもFMに移る局が多ければ多いほど満足に聞けなくなります。放送局からの電波のみでクリスタルイヤホンを鳴らす電気のいらないラジオというのは防災グッズとしても魅力が大きかっただけに、この点も気になります。

 この他、私がもう一つ危惧していることは、無事に首都圏の放送局がFMに変わったとして、AMの時の同じエリアを確保できるのかということです。ちなみに、ニッポン放送は私の住んでいる静岡市周辺でも場所によっては良好に入感し、ある意味サービスエリアと言っていいので地元の静岡放送は営業が大変だと思います(^^;)。かなり前の話で恐縮ですが昭和の歌姫・美空ひばりさんがニッポン放送で長時間生放送の特別番組を行なった時、ひばりさんのファンの西日本にお住まいの方が大挙してこちら静岡市の高台にある日本平ホテルに単にその放送を聞くためだけに宿泊したという逸話がありました。このように高出力の送信設備があれば、特に夜間にはかなり広い場所まで放送を届けられるというのがAMの特徴で、以前このブログで紹介したことがありましたが、高速道路を走行中に目的地方向にあるこうした大出力のAM放送局を選局しておけば、相当長い時間同じ放送局を聞き続けることができて便利なのです。こうした用途で民放が使えなくなると、そのままNHKに移行するだけなのですが、そうなれば放送局の影響力がピンポイントのエリアだけになってしまうのは明白で、もはや東京ローカルの放送局に評価替えしなければならなくなるでしょう。そうなるとAM放送は特に夜には中国や朝鮮半島、ロシアなどからの放送の方が目立ってしまうようなことにもなりかねません。単にコストの問題だけでAMからFMに移るのが本当にラジオにとっていいことなのか、改めてじっくりと考えてみたいですね。

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