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2012年4月14日 (土)

radikoの地域制限をなくすためには

 このような題名を付けたものの、もちろん一介のユーザーに過ぎない身で、インターネットでラジオ放送を配信するradikoの仕様を変更させるというのはほとんど無理と言ってもいいでしょう。しかしながら、当局の指導の下、ユーザーが自由に放送局を選択できないばかりか、radikoに参加していない放送局の地元に居住している人にはAMおよびFMの民放ラジオそのものをネット経由で聴取することすらできない現実は、国内で販売されているラジオの可変によるチューニングつまみを廃して自国の放送局以外の放送をシャットアウトしている某国のやり方に近いものがあるのではとすら私には思えます。何とかして地域格差のないラジオ聴取状況が実現できないかという事で、いろいろ考えてみました。

 この問題を考えるにあたり、なぜ地域限定の配信をするのかという配信側の理由付けについてまずは理解しておく必要があります。radikoについて書かれたwikipediaによると、おおよそ次の2点の理由が書かれています。

・ラジオ局の収入源である広告について、地元のクライアントから広告を出稿してもらい、それを地元のリスナーに届けるというビジネスモデルを維持するため(主に地方で、今まで地元局を聴いていたリスナーが東京や大阪などのネット配信を聴くようになり、地方局の聴取率が下がると思っている?)

・著作権のある楽曲などを放送する場合についても、実質的な放送エリアに沿った対象地域内での配信を前提に許諾を受けているため

 まず、権利関係の扱いについては、現在でもそうした問題によって配信できないコンテンツは存在しており、その範囲を広げるということで対応可能ではないかと思われます(放送休止や楽曲のみ差替)。また、こういうことはないかと思いますが、番組のパーソナリティ自体が自分の喋りがradikoエリア外に配信されるのを許さないという場合も考えられるかも知れません。もっともそんなパーソナリティの発信する番組をどうしても聴きたいという人がいたとしたらその場所まで移動なり転居して聞くしかないわけですから、そもそもそんな事を言う人がいるのかどうかというのが疑問ではありますね(^^;)。もしそんな事を言う人がいたとしたら、私はその方の番組を配信ではまるまるカットしていただいて結構だと思いますが。

 そして、理由としては一番大きな問題かと思われる、民放ラジオのビジネスモデルとインターネット配信放送との関係について考察してみたいと思います。以前紹介したように今の日本のテレビにおいて東京で放送されているチャンネル全てが日本中どこにいても簡単に視聴することができてしまったとしたら、地元局を見ないで東京キー局ばかりを見る人が増えることで地元局は広告収入がなくなってしまうのではないかという危惧が一部であることは確かです。しかし、まずはテレビとラジオの違いについて考慮すればこの図式がそのままラジオに当てはまらないことがわかるでしょう。

 テレビの場合は積極的に東京で制作された番組をそのまま流すことが地方局の存在意義になってしまっている場合が多いですが、ラジオ局の場合はそれほどではありません。時間帯で言うと深夜帯については東京で製作された人気タレントがパーソナリティーを務める番組をネットして放送していたり、アイドルが持っている番組を時間帯を変えて流していたりします。日中から夕方にかけては、地方局は自局のアナウンサーやタレントによる生ワイド番組を放送していることが多く、その中のコーナーとして東京制作の番組をネットしていることはあるものの、主には自局パーソナリティによる濃い目の生活情報が中心になっています。

 私のようにいろいろなところへ旅をする人間から言わせると、現地の情報を得る手段としてラジオでの情報というのは鮮度が高く具体的で、容易にイメージできるというメリットがあります。例えばレポーターのお店案内などという、思いっきり広告連動企画のようなコーナーがどこの地方局にもあると思いますが(^^;)、そこで聞こえてくるお店の方の話によってインターネットでは知ることのできないその場の息遣いまでが聞こえてきます。インターネット上でのお店紹介で、「雰囲気のいい店」というようなフレーズで判断するよりも直接的でわかりやすいのではと私には思えます。旅先で買い物をしたり食事をしたりする場合、安易に土地で名物とされるものに行きがちですが、そうではなく地元の方が好んで食べられているものであったり、知る人ぞ知るお店などはラジオでの情報を頼りに行くことで違った結果が出てくるように思います。全国に向けてradikoが開放されていたとしたら、番組内告知で大きなイベントまでは行かなくても地元の人たちが集まる催しが入手でき、そこで流れているコマーシャルからでもスーパーの安売り情報や食事処の紹介など、ラジオに広告を出すほど地域で認知度のあるお店はどこかという事がわかります。ここで気付かれる方もおられると思いますが、ラジオ局が集めた元々地元の方に向けた広告であっても、現地へ行く人から見れば地元の人限定の情報ではなく、有益な旅行のための情報になるわけです。

 私たちが旅行に出て食事をするところを探す場合、何の情報も持たないと、地元の名物すら食べず、全国チェーン店であるファミリーレストランやファーストフードのお店に入ってしまうことは結構あることです。それこそ、東京制作の番組でしか情報を得られないと(中には番組そのまま宣伝というものもありますが(^^;))、テレビで紹介されたお店のある地方に行くようになってしまうか、せっかく美味しいもののある場所へ行っても大手のチェーン店でしかお金を使わないような事になってしまうかも知れません。どんなに田舎に行っても入ってもらおうと大手企業は膨大なお金をかけて広告を出す理由がここにあります。それに対抗して、全国から多くの人を呼び込むために個人商店の人たちが膨大な広告費を全国に向けて使うわけにはいきませんでしょうから、潜在的な顧客の話が増えていくことになるならradikoの全国展開というのはむしろ地元商店主にとってもメリットとなり得るのです。もっとも、効率的にradikoを聞いた観光客を呼び込むためには、番組の制作にも一工夫必要だとは思いますが。

 そういうわけで、現状でrazikoを使って全国の民放を聴くことができている方に提案があります。週末や連休に旅行に出掛ける予定がある場合、出掛ける前にその場所の放送局のワイド番組を聞き、そこで得た情報を使って観光や食事を楽しんだ際、店頭や現地でその事(インターネット経由で放送を聞いたのでやってきたという事です)を話して欲しいのです。そうした声が広告主である地元の人の元に届き、実際に売上げの増加に貢献するということになれば、従来のラジオのビジネスモデルを維持したままradikoが全国に展開してもそれほど問題はないということが実感されるだろうと思うからです。また、旅行から帰った際に情報を発信してくれた番組に向けて、メールでお礼を出すというのも効果的でしょう。ただし、役立っていないものをあえて嘘のメールにしたりするのはどうかと思いますが(^^;)。

 ともあれ、私たちユーザーでできることを考えながら、今後もこの問題について書いていこうと思っています。

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