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2011年4月 9日 (土)

被災地方面への旅について

 一昨日の大きな余震によって停電が起き、まだまだ被災地では非日常の状況なのだということが改めて実感しているところです。それに加えて、福島県の原発周辺では事故に伴い避難された方々の家を目的にした空き巣らしき人たちがさまざまな場所で出現しているらしいということが明らかになってきたなんて話を聞くにつけ、本当に悲しくなってしまいます。

 恐らく現地ではさまざまな不確かな情報が錯綜し、不安に思われている方々も多いと思います。噂の類もいろいろ出ているかも知れませんが、犯行に及んでいるところに出くわさない限り、不審な他県ナンバーの車がどこそこに停まっていたというレベルで相当に疑われてしまうだけでなく、現地でのトラブルの元になるようなところまでいってしまうかも知れません。

 以前にも現地の方々に不審者と思われがちな車中泊の旅の行動について書かせていただきましたが、たとえそれがボランティア目的のものであっても、自分の車で現地に赴くというのは誤解の種になる可能性は十分にあると言わざるを得ません。

 今、東北地方の産業は壊滅状態で、特に観光業の方々は風評被害とあいまって大打撃を受けているようですが、そうした人たちを助けるために積極的に被害の少ない地方の旅館やホテル、温泉を利用するということで支援するといった行動を計画されている方もいるかも知れません。その場合は、できるだけ被災地をウロウロするような行程を取らないようにした方が私はいいのではないかと思います。

 そして、被災地周辺での車中泊の旅というのも、当分は控えたほうが無難だと思います。そもそも、そんな場所では車中泊する場所が限られてくるということもありますし、そうした限られたスペースの取り合いの中に割って入るような状況になるなら、地元の方や被災者の方に譲るべきでしょう。多くの車が車中泊をしている中に紛れ込んだとしても、まわりからどう見られるかというと、旅行者というよりも被災して逃げてきた人と思われるか、窃盗犯ではないかと疑いのまなざしで見られる場合もあるでしょう。全く悪気はなくても、どこから来たのかわからない不審な車が停まっていると思われたら、現地の方々にいらぬ疑念を生じさせるかも知れません。全く周辺に車がいないような場所で車中泊をする場合でも、地元の方々の往来があれば、長い時間停まっている車があるということで通報される可能性も考えなければなりません。

 どうしても現地の方々の役に立ちたいと思われる場合は、お住まいの役所であったり、地元で活動するボランティア推進団体に問い合わせ、車でなくそうした方々が計画したツアーに参加するというような配慮が必要ではないかと思います。実際に作業をする場合、なれない仕事をやることで自分が怪我をしたり人に怪我をさせたりする可能性も考えられます。しっかりした団体で派遣されるボランティア活動には、ボランティア保険といって行動中の事故についての賠償責任や怪我の補償のある保険に加入することが義務付けられている場合が多く、安心して現地の方のお手伝いができるようになっています。そうしたきちんとした団体に登録し、しっかりとしたレクチャーを受けてから被災地に入るようにすれば、地元の方々に誤解を受けるような事はまずないでしょう。

 被災地の方々への援助というのは、相当長い期間にわたって考えなければならないことだと思います。今どうしても行かなければならないという理由がなければ、もう少し待ってから出掛ける算段をしてもいいと私は思います。そうして出掛けた時に、自分なりに現地の方々にできることについて改めて考えるようにしてはいかがでしょうか。

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