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2011年3月21日 (月)

手回しラジオの問題点と太陽電池ラジオの可能性

 昨日の内容の最後にジャンク扱いで売っていた太陽電池ラジオのついて紹介しましたが、正直なところ、内蔵の電池の劣化だけでなく、作りもかなり雑だという事で音すら鳴らないだろうと思っていました。

Dscf0835_2

 念のため写真のように車のフロントガラスの所に放置しておいたのですが、日の出から夕方までこのままにしておいたところ、AM・FMともちゃんとスピーカーから音が出るではありませんか。とりあえずAM局を2時間半連続で小さめですがスピーカーから音を出して聞くことができ、まだ余力がある感じでした。ただ、本体の作りがかなり荒いのと、買ったもの全てがこのように動くとは思えないので、被災地援助用にはならないと思いますが。ちなみに、このラジオはマルツ電波の店頭で売られていたものです。ジャンク扱いという事で、全く音が出なくても文句を言えませんので、その点にもご注意下さい。このラジオの詳しい内容については、マルツパーツ館のブログで改造方法に至るまで紹介されていますので、興味のある方はどうぞ。

http://marutsuparts.blog74.fc2.com/blog-entry-482.html

 地震が起こるまでは太陽電池で動くラジオなど全く興味の外だったのは事実です。しかし、車中泊の旅で走行中にシガーソケットから取れる電力には限りがあるため、ダッシュボードの所に放置しておくだけでも充電でき、夜に十分使えるポテンシャルを秘めたこうしたラジオは、災害だけでなく車中泊向きとも言えます。今売られている災害用ラジオはほとんどが手回しハンドルでダイナモを回し充電するタイプですが、それは携帯電話の充電も視野に入れてのものでしょう。

 前にも紹介したSONYの災害用ラジオは全部入りで確かに色々と役に立ちそうではありますが、ハンドルの作りが弱いのが気になります。あまり力を入れて回しすぎると、ハンドルそのものが折れてしまいそうなのですね。ハンドルが折れてしまえば、折角のダイナモも使いものにならなくなってしまいます。更に、体力も気力も萎えるような状況の中、延々とハンドルを回し続けるのはなかなかの重労働です。ご高齢の方の災害用ラジオとして、ハンドルを回さなくても充電できる太陽電池を使ったラジオ(もちろん乾電池やACアダブタでも動く)を国内メーカーは出してくれないものでしょうか。

http://www.violetta.com/japanese/seihin/seihin_vs01.html

 現状で太陽電池を使ってラジオを聞く方法としては、いろいろと調べたところ、上記リンクにある太陽電池から専用のニッケル水素電池を充電できる太陽工房の『バイオレッタ ソーラーギアVS01』を用意するのが一番手軽だと思います。ただ同時に消費電力の少ない、単三電池2本で動くラジオ(例えば、単三を単一電池を使うものでも使えるようにスペーサーを導入し、SONYの野外作業用ラジオICR-S71を動かす感じなら十分実用になりそうではあります)を用意するなど結構手間がかかります。やはり、一つのラジオで済むにこした事はありません。

 今回の災害が起こるまでは、radikoを通じてインターネット経由で放送を楽しむ人たちが増えたとは言っても、ラジオそのものは新しい機種が出なくなり、それだけではなく既存の機種も廃番になるなど、一部の人たちにとっては終わったメディアだと思われていたかも知れません。なぜ多くのラジオが消えたかというと、地上波デジタルの推進と関係があります。お手持ちのラジオがあれば確認していただきたいのですが、FMワイドバンドの周波数の横にアナログテレビの1ch2ch3chの表示があるものがあります。アナログ波が停波されるのに伴い、こうした表記を残したまま販売を続けるのはおかしいという事で、メーカーは既存のラジオの整理を行なったのだと私は見ています。災害に必要だとはわかっていても、災害時に被災者へ届ける分だけ確保できればいいとたかをくくっていたのではないかとすら思います。

 今回の事で直接震災に見舞われなかった地域でも、電力の不足という理由でラジオ以外に情報収集できる手段がなくなってしまう事が実にしみてわかったのではないかと思います。この状況を受けて、国内のメーカーには改めて多くのラジオを出して欲しいですし、その中で災害用ラジオとして、太陽電池を使ったタイプのものをぜひ出していただきたいと思っています。

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